項目 福地化石館 ふくちかせきかん
関連項目 事項解説>地学関連施設>福地化石館
地点 高山市奥飛騨温泉郷福地 「昔ばなしの里」内
見学地点の位置・概要    国道471号は高原川を挟んで福地温泉対岸の高台上を走るが、そこから分かれた市道が南から福地温泉へ入ると、温泉街の南で直角に曲がって温泉街を北上していく。その曲がり角から100mほどの位置に「昔ばなしの里」の案内指示があり、そこを右折して細い道路に入ると100mほどで「昔ばなしの里」の看板と古い民家「福地家」があり、そこに「福地化石館」の表札も掲げられている。
見学地点の解説    この古民家は、表札がなければ使われなくなった家屋という印象の建物であり、その入口を開けても化石とは無縁の薄暗い土間があるだけのように見える。ところがその2階へ上がると、明るい照明のついた空間が広がり、そこに福地地域から産出した貴重な化石が展示されており、あわせてパネルでその意義などが解説されている。ハチノスサンゴや三葉虫などの古生代を代表する化石が採取されたままの標本として、あるいはきれいに研磨された標本として展示されている。また、これらの化石を収集した故山腰 悟氏の業績やこれまでの福地地域に関する地質学的・古生物学的研究についても紹介されている。
ジオの視点    福地在住の故山腰 悟氏が1960年代から収集された福地地域の化石は、その一部が岐阜県指定の天然記念物「福地化石標本」にもなっており、私設博物館「ひだ自然館」に展示公開されていた。そこが2001(平13)年に閉館したため、貴重な化石類は当時の上宝(かみたから)村に寄贈され、それらがこの施設で再展示されている。展示規模はかなり縮小されているが、散逸せずに保存されたことの意義は大きい。
写真 福地化石館の外観(この建物の2階に「福地化石館」として展示がなされている)
(撮影:小井土由光)
写真 福地化石館の内部
(撮影:小井土由光)
福地化石標本
福地在住の故山腰 悟氏が福地周辺に分布する飛騨外縁帯を構成する古生代デボン紀・石炭紀・ペルム紀の地層から収集した海生動物化石標本のうち、典型的な化石100点を選び指定してある。以前は同氏が開設した「ひだ自然館」にこれらの化石が展示されていたが、同館が閉鎖されたため、それらが当時の上宝(かみたから)村に寄付されて、地元の協力を得て、福地にある「昔ばなしの里」の2階にある福地化石館に移されて収められている。




地質年代