項目 縄文洞 じょうもんどう
関連項目 事項解説>地形・鍾乳洞>鍾乳洞>縄文洞
地点 郡上市八幡町安久田(あくた)1553
見学地点の位置・概要    八幡町吉野において国道156号から千虎(ちとら)川沿いに県道328号安久田吉野線をたどるルートと、同じく八幡町穀見において国道156号から「公団幹線林道(旧名)八幡-下呂線」で安久田から入るルートがある。いずれのルートにも案内指示がある。
見学地点の解説    地元で“地獄穴”と呼ばれていた鍾乳洞であり、洞内から縄文時代早期から弥生時代に至る土器や人骨などの居住跡が見つかったことで、「縄文鍾乳洞」の名称で1971(昭46)年4月に観光洞として開放された。大滝鍾乳洞の近くにあり、それと同じ美濃帯堆積岩類の石灰岩に形成された鍾乳洞の1つであるが、大滝鍾乳洞にくらべて非常に複雑な迷路になっていることを特徴としており、高低差約55mの範囲に7層にわたり総延長799mの多層迷路型の洞穴が形成されている。水の出口となる場所がなく、水流が穏やかで、多数の断層や割れ目をゆっくりと溶かしたためと考えられている。鍾乳石・石柱・石筍・流れ石・カーテン・鍾乳管・洞穴サンゴなどの洞内生成物はいずれも新鮮で美しく、多くの種類・量が見られるが、照明の設備がなく、懐中電灯の灯りだけで洞穴めぐりができるようになっている。
ジオの視点    県内に分布する鍾乳洞は、いずれも美濃帯堆積岩類を構成する石灰岩の岩体内に形成されている。しかし、石灰岩の分布域であればどこにでも鍾乳洞が形成されるわけではない。地下で石灰岩を溶かす地下水の水脈がなければ形成されない。その水脈は石灰岩の中にそれなりの規模で形成されている割れ目系にあたるものであり、それに地下水の水位が絡んで何段にもわたる洞穴が形成されることになる。
写真 縄文洞の入口
(撮影:小井土由光)





地質年代