項目 粗粒ピンク花崗岩 そりゅうぴんくかこうがん
関連項目 凡例解説>飛騨帯構成岩類>飛騨花崗岩類>粗粒ピンク花崗岩(紅色花崗岩)
地点 飛騨市神岡町東町 西里橋河床
見学地点の位置・概要    国道41・471号(重複区間)から神岡振興事務所への案内指示にしたがって神岡町の中心部へ入ると、高原川に架かる西里橋を渡る。その右岸(東岸)の交差点から高原川の河原へ下りる道があり、河原に粗粒ピンク花崗岩が露出している。
見学地点の解説    ここでは白色をなすかなり粗粒の鉱物を含む風化した花崗岩が見られる。それらの中で新鮮な面を探してみると、1cmほどの大きさで淡紅色のカリ長石が多量に含まれ、これが風化面で白色をなす鉱物として見えている。露出面がきれいに見えないことから岩石自体の組織がわかりにくくなっているが、西里橋近くでは一定方向に延ばされたように並んで入っており、これを上流へ向かってたどっていくと鉱物の並び方に方向性が弱まり、粗粒で等粒状の花崗岩組織を示すようになっていく。ここの岩石は粗粒ピンク花崗岩がやや圧砕されて眼球花崗岩から眼球片麻岩へ移り変わっている状態の場所にあたっている。なお、この河原では2ヶ所にわたり黒色の安山岩岩脈が貫入している。
ジオの視点    この岩石はこれまで船津花崗岩類の名で知られてきたものであり、県内に分布する飛騨帯構成岩類の中でもかなり広い分布域を占めている。おもに粗粒塊状で等粒状~斑状の花崗岩~花崗閃緑岩からなり、淡紅色のカリ長石を含むことを特徴としている。変形・変成作用を受け、場合によっては著しく圧砕作用を受けて片理を示すものがあるいっぽうで、変形作用や再結晶作用があまり見られないものもあり、同じ岩相を示す岩石でも形成時期にかなり幅があると考えられている。
写真 西里橋下の河原に露出している粗粒ピンク花崗岩
(撮影:小井土由光)
写真 粗粒ピンク花崗岩を貫く安山岩岩脈
(撮影:小井土由光)
片理
結晶片岩に特徴的に表れ、柱状、板状、鱗片状などの結晶が一定方向に並ぶことで生じる縞状(線状片理)あるいは面状(面状片理)に表れる構造。




地質年代