項目 眼球片麻岩 がんきゅうへんまがん
関連項目 凡例解説>飛騨帯構成岩類>飛騨花崗岩類>眼球花崗岩~眼球片麻岩
地点 飛騨市神岡町東町 飛騨市民病院北側
見学地点の位置・概要    神岡町の中心部で高原川に架かる西里橋と下流の船津橋との間の右岸(東岸)に飛騨市民病院があり、その北側の道路脇に眼球片麻岩が露出している。なお、この地点とスーパー店舗を挟んで右岸道路下の高原川河床にも同じ岩石が観察に適した状態で広く露出しているが、そこへはロープを使って下りるようになっており、やや危険をともなうことを考慮して道路上の地点を選んである。
見学地点の解説    道路脇に小さく露出する岩盤であるが、風化した表面であっても岩石の組織は比較的わかりやすい状態にある。露出面全体にわたって1~2cmほどの大きさで淡紅色のカリ長石が多く含まれているため、全体が淡紅色をなす岩石のように見えるが、大きなカリ長石以外の部分は等粒状の花崗岩組織を示しており、苦鉄質鉱物(おそらく角閃石)が変質して緑泥石化して緑灰色をなして含まれている。あまり明瞭ではないが、それらがおおよそ東西方で北へ30°ほど傾いた面で示される方向に延ばされたように並んで入っている。
ジオの視点    岩石が高圧下で圧砕される変成作用をマイロナイト(圧砕)化作用といい、鉱物が壊れたまま固結した岩石をマイロナイト(圧砕岩)という。そのほとんどは花崗岩類でみられ、圧砕の程度により、基質が比較的粗粒で自形のカリ長石よりなる眼球花崗岩から、その中でカリ長石が再結晶してさらに大きくなり、その周囲に小さな鉱物が集合することで眼球のような形になって一定方向に並んで片麻状組織を作った眼球片麻岩、さらに細粒化したブラストミロナイト~ウルトラミロナイトへと変化する。
写真 飛騨市民病院北側の道路脇に露出している眼球片麻岩の岩盤
(撮影:小井土由光)
写真 眼球片麻岩の近接写真
(撮影:小井土由光)





地質年代