項目 付知大門の断層崖 つけちだいもんのだんそうがい
関連項目 事項解説>活断層>東濃地域>阿寺断層(付知大門の断層崖)
地点 中津川市付知大門
見学地点の位置・概要    中津川市付知の中心部は北西~南東方向に流れる付知川に沿ってその右岸(南西岸)側に細長く広がっている。もともとはその中を国道256・257号(重複区間)が貫いて走っていたが、現在は対岸側にバイパスとして走っている。そのバイパスが付知川をまたぐ付知峡大橋の北詰交差点で西方へ曲がると、左側にある最初の人家の反対側(右側)に道路と直角の方向に阿寺断層の低断層崖が延びている。
見学地点の解説    高さ7~10mの崖が阿寺断層により縦方向にずらされて形成された低断層崖であり、ほぼ直線的に北西へ向かって1kmほど続き、倉屋地区でそのまま山間部へ入り、そこに断層鞍部を形成している。この低断層崖は付知川の低位段丘面をずらしたものであるが、一見すると段丘崖のように見える。しかし、この場所の北東側を流れる付知川の流路とは反対側の南西側に崖を形成しており、付知川の流路とこの低断層崖が斜交することから段丘崖ではないことがわかる。
ジオの視点    ここでは断層崖の北東側が隆起しつづけながらも、崖の下に南西側の谷から流出した土砂が扇状地を作ってたまっていった。そのため断層崖の高さは実際にずれた高さよりも低くなっている。ボーリング調査によれば、実際には断層を境にして約26mも縦ずれを起こしており、1回の活動による平均移動量は左横ずれで4~5m程度、縦ずれで1~2m程度とされている。約26mの縦ずれは、この断層崖が10回以上の断層活動を経て現在の姿になったことを示している。倉屋地区におけるトレンチ調査から、最近の断層運動の活動が約12,000年前、約9,400年前、約6,500年前、約5,500年前の4回であったことが明らかにされている。
写真 付知大門に見られる阿寺断層の断層崖
(撮影:小井土由光)
写真 付知大門(右端)から北西へ倉屋(左端)まで延びる断層崖(写真中央に延びる段差)を南西側からみた景観
(撮影:小井土由光)





地質年代