項目 平湯温泉 ひらゆおんせん
関連項目 事項解説>温泉・地下水>飛騨地域>平湯温泉
地点 高山市奥飛騨温泉郷平湯
見学地点の位置・概要    平湯トンネルを過ぎた国道158号は、大きなカーブを描いて平湯温泉へ下っていく。温泉街の東側を抜けて安房峠へ向かう前に平湯バスターミナルがあり、国道を挟んでその反対側に平湯温泉観光案内所がある。その建物の裏側に湯ノ平源泉井と呼ばれる温泉井がある。
見学地点の解説    平湯温泉街の中心部から東方1kmほどのところに“神の湯”という共同露天風呂があり、そこがもともとの平湯温泉の発祥地であり、現在でも冬季をのぞいて営業している。温泉街には40ヶ所ほどの源泉があり、豊富な湯量で塩化物泉、炭酸水素塩泉が湧出している。湯ノ平源泉井からは多くのパイプが出ており、ここからいくつかの旅館へ配湯されている。その中の1つのパイプが観光案内所の横へ導かれ、そこで熱い温泉が流されている。なお、上高地や乗鞍岳でマイカー規制が始まったことで、平湯温泉からそれぞれにシャトルバスが運行されるようになり、平湯温泉はそれまでの秘湯から観光温泉地へと変化してきている。
ジオの視点    平湯温泉は奥飛騨温泉郷の中でも最も歴史の古い温泉とされており、焼岳火山群としては比較的新しい時期に活動しているアカンダナ火山の西麓にあることから、それを熱源としている温泉の可能性がある。しかし、温泉水脈は地下でどのようにつながっているかはわからないため、具体的に決めることはできず、現在活動中の焼岳火山を熱源としている可能性もある。
写真 平湯トンネル出口付近からみたアカンダナ山(中央右奥の峰)とその山麓にある平湯温泉の温泉街(アカンダナ山の左隣に白谷山がそびえているが、その頂上付近は雲に覆われている)
(撮影:小井土由光)
写真 平湯温泉の湯ノ平源泉井(多くのパイプにより配湯されている)
(撮影:小井土由光)
アカンダナ火山
焼岳火山群の最南端にあり、白谷山火山の南側に噴出し、アカンダナ山(標高2109m)を中心として新期焼岳火山群に属する火山体であり、溶岩ドーム、溶岩、火砕岩類からなる。火山体の頂上部を含めた岐阜県側で地すべり崩壊した崖がみられる。形成時期が約1万年前とされたことで、新たに定められた活火山の仲間入りをした火山でもある。この火山に由来する噴出物が二次的に流出して白谷山(標高2188m)西麓の白谷合流部付近から一重ヶ根付近までの平湯川(高原川)沿いに河岸段丘を作って分布する一重ヶ根土石流堆積物は、淘汰の悪い安山岩質の亜角礫~亜円礫の岩塊や岩片と同質の基質からなる。




地質年代