項目 博石館 はくせきかん
関連項目 事項解説>地学関連施設>博石館
地点 中津川市蛭川田原
見学地点の位置・概要    博石館は中津川市蛭川地域を南北に貫く県道72号恵那蛭川東白川線沿いにあり、石材工場が並ぶ一画に石材業者によって建設された“石”に関する博物館である。
見学地点の解説    蛭川地域には古くから「丁場」と呼ばれた苗木花崗岩の石切場が各所にあり、そこで切り出された苗木花崗岩は加工されて“蛭川みかげ”と呼ばれる石材として各方面で利用されてきた。しかし現在は、安価な輸入石材におされて稼働している丁場はなくなっており、その跡へは危険防止もあって立ち入ることは禁止されている。館内では石材の切り出しや加工作業などを含めて“石”にかかわるいろいろなすがたを見学できるようになっており、地元から産出する鉱物を中心に世界各地の珍しい鉱物が展示されている鉱物博物館や蛭川みかげを使ったピラミッド(1辺23m、高さ14.6m)などがある。
ジオの視点    蛭川地域は、苗木花崗岩を石材として盛んに採掘していたり、その中に含まれている珍しい鉱物の採集地として全国的にも広く知られていた。こうした背景のもとで建設された施設であるから、展示物も花崗岩をおもな材料としていろいろと趣向を凝らしたものとなっている。とりわけランドマーク的に作られているピラミッドも、有名なエジプトのピラミッドでは石灰岩を使っているのに対して、花崗岩を積み上げてある。
写真 博石館の内部
(撮影:小井土由光)
苗木花崗岩
中津川市苗木付近を中心に濃飛流紋岩の分布域の南部に広く分布し、中央部においても濃飛流紋岩の地下に広く伏在して分布する。濃飛流紋岩の少なくともNOHI-5までを貫き、NOHI-3、NOHI-4およびNOHI-5と火山-深成複合岩体を形成していると考えられている。塊状で、一部斑状の細粒~粗粒黒雲母花崗岩および角閃石含有黒雲母花崗岩からなり、放射線で黒~暗灰色になった石英を多く含み、脈状ないし晶洞状のペグマタイトに富むことを特徴とする。




地質年代