項目 | 阿寺断層の遠望 | あてらだんそうのえんぼう |
関連項目 | 事項解説>活断層>東濃地域>阿寺断層(坂下断層崖) | |
地点 | 中津川市山口 弥栄(いやさか)ループ橋 | |
見学地点の位置・概要 | 国道19号から木曽川を渡って坂下町へ向かう弥栄橋の交差点を反対側の山口方面へ向かう「ふるさと農道」へ入ると、すぐに弥栄ループ橋がある。その橋上から木曽川の対岸に広がる坂下町の市街地を眺める。 | |
見学地点の解説 | 坂下町の中心部には木曽川によって形成された河岸段丘が大きく4段にわたって広がっている。家屋が建て込んでいることもあり、それらの状況がわかりづらくなっているが、段丘面は手前の木曽川沿いから奥の山地へ向かって順に高くなっている。それらの段丘を横切って、阿寺断層が弥栄橋の100mほど上流の地点から町の中央に見える国民健康保険坂下病院のすぐ右側(東側)をぬけて高台の団地の左側(西側)へとのびている。 | |
ジオの視点 | 大きく4つに分けられている河岸段丘面の形成時期はそれぞれの段丘構成物の形成年代などからおおよそわかっており、高い面ほど古く、数万年前以降に順に形成されてきた。阿寺断層はこのすべての段丘面をずらしており、高い(古い)段丘ほどその移動量が大きくなっている。このことは、阿寺断層が数万年前以降に継続してほぼ現在に至るまで何回も動きいてきたことを意味しており、それぞれの段丘面の形成時期と断層の移動量との関係から、活断層の正確な運動像が明らかにされている。坂下の町はこうした活断層の運動履歴の解析が日本で最初に行われた場所となっている。 | |
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弥栄ループ橋からみた坂下の町(赤矢印の位置に阿寺断層が通る) (撮影:小井土由光) |