項目 阿寺断層の断層崖① あてらだんそうのだんそうがい
関連項目 事項解説>活断層>東濃地域>阿寺断層(坂下断層崖)
地点 中津川市坂下 坂下病院前
見学地点の位置・概要    JR中央線の坂下駅のすぐ東側に坂下町内としてはかなり大きな建物が建っており、それが国民健康保険坂下病院である。駅と反対側の東側入口の前を通る県道6号中津川田立(ただち)線が病院の北東側で上り坂となっている。そこが阿寺断層の断層崖にあたっている。
見学地点の解説    県道が上り坂となる断層崖の位置に交差点があり、そこから南東へ向かう道路は左側に石垣が、右側に一段低い位置にある人家との間に石垣がそれぞれあり、両者を合わせた崖の高さは約10mある。この崖を南西側の少し離れた位置から眺めると、崖の手前の低い平面に建つ2階建人家の屋根の高さと崖の上の平面に建つ人家の敷地の高さがほぼ同じになっているように見える。崖の両側の平面はもともと同じ段丘面であり、直線状に延びる崖が阿寺断層により約10mの縦ずれを起こした断層崖である。なお、この場所では阿寺断層による横ずれの量はわからないが、段丘崖の位置の違いから40~57mの左横ずれであることがわかっており、その移動量は縦ずれ移動量よりもかなり大きい。
ジオの視点    ここで見られる段丘面は、大きく4段に分けられた段丘面のうち下から2番目の高さ(古さ)にあたり、最も低い(最も新しい)段丘で示される縦ずれ移動量が3~4mほどであるから、約10mという移動量には3~4mの移動量も含まれており、残りの6~7m分は最新の段丘が形成されるまでの間に断層運動が繰り返されてこの段丘がずらされた量を示している。
写真 坂下の町で見られる約10mの縦ずれを示す断層崖(手前の2階建人家の屋根の高さと崖上の人家の敷地の高さがほぼ同じになっているように見える)
(撮影:小井土由光)
写真 約10mの縦ずれを示す断層崖に沿う道路
(撮影:小井土由光)





地質年代