項目 阿寺断層の断層崖② あてらだんそうのだんそうがい
関連項目 事項解説>活断層>東濃地域>阿寺断層(坂下断層崖)
地点 中津川市坂下 上鐘(じょうがね)団地西側
見学地点の位置・概要    国民健康保険坂下病院の前を通る県道6号中津川田立(ただち)線はそのまま木曽川の北岸に沿って長野県方面へ向かうが、途中から市道として坂下の町を反時計回りに登って県立坂下高校方面へ向かう。その途中から耕作地の中を北西へ向かって松源地(しょうげんち)地区へ通じる道路があり、それはちょうど上鐘団地がある平坦面の南西側斜面の下を斜面に沿って通る道路にあたり、その斜面が阿寺断層の断層崖にあたる。
見学地点の解説    坂下病院付近での断層崖の高さが約10mであったのに対して、この付近での断層崖の高さは約34mとなっている。上鐘団地がある平坦面は坂下地域おいて最も古く、最も高い位置にある段丘面であり、それだけ断層運動を長い期間にわたって何回も受けていることで大きな段差をもつ崖となっている。ただし、古い時代に形成されている段丘面はそれだけ浸食されているため、断層を挟んで南西側で対応する段丘面の形状が不明瞭になっている。また、断層崖にあたる位置に多くの樹木があることで比高差を確認しにくくしており、やや離れた県立坂下高校付近から眺めて段差を確認した方がわかりやすい。
ジオの視点    阿寺断層は、坂下町で木曽川が作った河岸段丘の分布域を横切ったことで、それらが形成された時期の運動履歴が残されているが、それも最も古い段丘面が形成された数万年前以降ということになる。阿寺断層はそれ以前から活動しているから、阿寺断層全体の運動像はもっと長い時代にわたる履歴を残してくれる材料から読み取らなければならない。
写真 中津川市坂下の上鐘団地の南西側で見られる断層崖
(撮影:小井土由光)
写真 県立坂下高校からみた約34mの比高差を示す断層崖(正面の多くの樹木が密集している部分)
(撮影:小井土由光)





地質年代