地質年代

岐阜県地域の地質概観

   『ジオランドぎふ』を構成している岩石類や地層群は、おもに形成時期や特徴などにより、大きく3つのグループ()に分けられる。

   Ⅰ.中生代白亜紀前期ごろまでに形成され、日本列島の土台をつくる地質帯を構成する岩石類・地層群
日本列島の土台は、形成された時代やその特徴に基づいて帯状構造をなす複数の地質帯に区分されている。それらのうち岐阜県地域では、北から南へ、飛騨帯、飛騨外縁帯、美濃帯、領家帯という大きく4つの地質帯に分けられ、それぞれの地質帯を構成する岩石類や地層群(飛騨帯構成岩類飛騨外縁帯構成岩類美濃帯堆積岩類領家帯構成岩類)が分布している。ただし、これらの地質帯の区分には概観する上では大きな支障はないが、具体的な境界を示すことにはいくつかの問題がある。とりわけ、飛騨外縁帯とした範囲には蓮華帯あるいは宇奈月帯と呼ばれる地質帯が存在し、飛騨外縁帯と美濃帯との間には超丹波帯と呼ばれる地質帯がわずかに分布している。ここでは前者をすべて飛騨外縁帯構成岩類に含めてあり、後者は独立させて超丹波帯構成岩類として記述している。

   Ⅱ.中生代白亜紀から古第三紀におもに形成され、Ⅰの地質帯を横断するように分布する地層群や岩石類
飛騨帯と飛騨外縁帯の地域に分布する手取層群と飛騨帯から領家帯までの広い範囲にわたり分布する濃飛流紋岩を中心とする火成岩類からなる。それらのうち後者は、濃飛流紋岩の形成以前の火成活動にかかわる先濃飛期火成岩類、濃飛流紋岩の形成時期の火成活動にかかわる濃飛期火成岩類、濃飛流紋岩の形成以後の火成活動にかかわる後濃飛期火成岩類の3つに区分される。

   Ⅲ.新生代新第三紀以降に形成され、基盤岩類となるⅠやⅡを覆って分布する地層群や岩石類
東濃・中濃地方に分布する新第三紀堆積岩類(瑞浪層群)や東海層群、県境地域の御嶽や乗鞍岳などを構成する第四紀火山、濃尾平野などに分布する第四紀堆積層などがある。