高い山稜、なだらかな丘陵、急峻な峡谷、広大な平野など、さまざまな大地のすがたをわれわれは地形として目にしている。それらは河川によって削られたり、河川が運んだ土砂を堆積させたり、いろいろな大地の運動により形成されたものであるから、すべての地形は大地の運動の結果を表わしていることになる。その観点からすべての地形について解説がなされてもおかしくないが、その数は限りなく多くなるから、ここでは岐阜県地域における特異な地形、特徴的な地形を取り上げ、山稜地形、河成地形、氷河地形に分けてそれらの形成過程について概説する。これらに該当する地形の中には他項目で扱われている事例もあるので、それらも参照されたい。これらはさまざまな地質体の外側に作られた姿を表しているのに対して、石灰質(炭酸カルシウム)成分からなる石灰岩は雨水や地下水により溶食されて岩体内部に鍾乳洞を形成しており、地質体の内側に作られた姿を表していることになるから大地の形としてここで扱う。