鉱山跡・資源

   大地からもたらされ、人間の生活に活用されるものを総称して地下資源といい、鉄などの金属資源、石油・石炭などのエネルギー資源、石灰石・粘土などの非金属資源に分けられる。これらを採掘する施設が鉱山であり、岐阜県内においても昔から各所に鉱山があり、いろいろな資源を採掘していた。しかし、鉱山は採算という経済的な条件に左右されるため、現時点では一部の非金属資源を除いてほとんどの鉱山が稼動していない。とはいえ、それぞれの鉱山から得られた資源はそれをもたらした大地の様子を知る上での貴重な情報源となるから、ここでは稼働中の鉱山のほか、廃鉱となった鉱山のうちからいくつかをとりあげ、それらの特徴を概説する。

   岐阜県地域における地下資源の特徴をまとめると以下のようである。
①金属資源の鉱山は、唯一の例外である神岡鉱山を除いていずれも小規模に開発されたものばかりである。ただし、現在稼働している鉱山は一つもない。
②エネルギー資源は亜炭とウランに限られ、亜炭の一部だけが別の目的で採掘されているだけである。
③非金属資源はおもに石灰石と耐火粘土であり、とくに石灰石は全国的にも無尽蔵に近い資源といわれ、現在も稼働中の鉱山が多い。なお、石灰石は石灰岩を地下資源として扱う場合の呼び名であり、同一のものを指す。